koto-koto

備忘録や情報まとめのメモ。間違いがありましたらご指摘いただけるととてもとても有り難いです。

【ハフポスト】ジョー・マッゼロ インタビュー

HUFFPOSTのインタビューより拙訳。

 

 『ジュラシック・パーク』から25年、生命はついに道を見つけた。作中で最も謎なシーンの一つを解決する道を。
 状況を説明しよう。アラン・グラント博士(サム・ニール)と古植物学者のエリー・サトラー(ローラ・ダーン)は向こう側からドアをひっかく追跡者のラプトルを相手にドアを閉めようと苦戦している。エリーは近くの床に落ちた銃を必死にとろうとするが手が届かない。子供ハッカーのレックス(アリアナ・リチャーズ)はユニックス・システムのドアロックを起動させようとする。彼の弟のティムは……ただそこに突っ立っている。
 まあ、ティムは一度飛び跳ねはした。だが大半はアランとエリーの奮闘をよそにただ姉の後ろに立っているだけだ。何年もの間この妙なシーンはイラつくパロディーにされてきた。だが誰もこの疑問に答えてはくれなかった。なぜなんだ、ティム、一体なぜ?
「ミスがあったんだよ、OK? ミスが起きたんだ」と、ティムを演じたジョー・マッゼロは先日話した。
「ハイプレッシャーな状況だったから」と彼は言う。「グラント博士は8歳の少年に銃を手渡してほしくはなかったのかも。それも一つの説だけど、僕としては……僕のキャラは根っからのバカじゃなかったってことは言いたい。ティムは少なくともわかってた訳だから、『T-レックスの顔に明かりを当てるなよ』って。あれについては僕の手柄でいいと思う」
「銃の件はミスかもね」と彼は付け加える。「でも終わり良ければすべて良しだよ」
 マッゼロにとってはとても良い終わりとなった。『ジュラシック・パーク』以降、彼は『ソーシャル・ネットワーク』『ザ・パシフィック』といった注目作に出演してきた。最新の出演では、フレディ・マーキュリーQueenの伝記作品『ボヘミアン・ラプソディ』で彼に生き写しのQueenのベーシスト、ジョン・ディーコンを演じる。

 インタビューの中で、彼は最近公開されたラミ・マレック主演映画で役を得た経緯、そしてジョン・ディーコンそのものの見た目に混乱した理由について説明してくれた。そして『ジュラシック・パーク』に関する私の質問にも引き続き乗っかってくれた。たとえばまた別の昔からの謎だ。ティムはなぜ電気柵を通り抜けてしまわなかったのか?

あなたはQueenのベーシストのジョン・ディーコンにそっくりですよね。どのような経緯で彼を演じることになったのでしょう?
だいぶ特殊な流れだったよ。ラミ・マレックがフレディを演じるっていう情報が出たときに僕はロンドンにいて、ラミのことは長年知ってるからすごくクールだと思った。そのとき僕のマネージャーと一緒にいたんだけど、「ヘイ、プロデューサーの一人を知ってるよ。ロンドンにいるから会いに行こう」と言われて。彼がバーで「ジョーを映画に出すべきだよ」という感じでやんわりと僕を売り込んだんだ。彼らに「ギターは弾けるの?」と聞かれて「Queenほど上手くない」と答えたら、相手は「OK、うーん」と。僕はこれは実現しないなと思って、そのことは忘れたんだ。熱心すぎるマネージャーには感謝するけどいけそうもなかった。
それからたぶん3週間くらい経って、マネージャーからまたメールが来たんだ。「おい、聞いて驚くな、彼らがきみの『ボヘミアン・ラプソディ』出演を考えてるらしい。きみはベーシストのジョン・ディーコンによく似てる」って。ジョン・ディーコンをググって即母に電話したよね、『母さん、1983年にどこにいた? ちょっと説明してもらいたいことが』。僕の父さんの可能性がある。

ワオ、クレイジーですね。ジョン・ディーコンがあなたのお父さんじゃないという裏付けは?
DNAテストは受けてないけど、まあ違うよ。でも奇妙だよね。軽く目を細めて唇をちょっと突き出してみると……彼に似せるにはどういう表情をしたらいいかも彼みたいに動く方法もわかってて、すごく変な感じだったよ。

ええ、生き写しですよね。
Queenのドラマー、ロジャー・テイラーが)ある日メイクアップ・トレーラーで僕の写真を見て「このジョンの写真見た事なかったな」って言ったんだ。「いやそれはジョーなんです」って。

マイク・メイヤーズのカメオはどうでしたか? 彼はこの映画で『ボヘミアン・ラプソディ』に反対するプロデューサー役で、誰もこんな曲を車でかけたがらないだろうと言いますが、『ウェインズ・ワールド』で彼があの曲に合わせて頭を振っていることを匂わせていますよね。
マイク・マイヤーズの長年のファンなんだ。僕はマイク・マイヤーズのファン像にぴったりだと思う。だからすごくクールだったよ……彼の仕事を見てるのが。彼はキャラクターに入り込んで衣装を着て撮影に現れたんだ。最初彼だって気付かなかったのが面白かった。「うわマジかよ、マイク・マイヤーズじゃん」ってなったんだ。

まさか。気付くのにどれくらいかかりました?
30秒そこそこだったけど、でも「ちょっと待てよ、オーマイゴッド、マイク・マイヤーズがこの部屋にいるぞ」と気付くには十分に長くかかったよ。すごくクールだったのは、彼が撮影現場にいたのはたった4日間で、さっと来てカメオをこなしてちょっとジョークを言って去ることもできたのに、彼は素晴らしいシーンにすることと正確に語ることを心から気にかけていて、台詞をとちれば「いや、やり直そう」と言ってた。彼は完璧を望んでたんだ。ちょっとしたカメオの役柄だとしても彼は仕事を真剣に捉えて作品を気にかけていて、まさにクールだったよ。

彼はQueenに対して情熱的です。多くの人がそうですね。それが予告編が解禁になった際にたくさんの議論が起き、マーキュリーのセクシャリティをストレートウォッシングしているという訴えがあった理由の一つでしょう。俳優としてどう感じましたか? そしてこの映画はその件についてどれだけ扱えていると思いますか?
最初の予告編が公開されたとき、僕らの作った映画からこんなにかけ離れている事もないなと思って奇妙だったよ……そう感じた人の多くが映画を観たら違う印象を受けると思うよ。確実にそう思う。
ストレートウォッシングはまったくないと思う。この作品はフレディ・マーキュリーの人生をリアルに伝えていると思うよ。彼の人生におけるメアリー・オースティンのパートを語らなければそれは虚偽になってしまう。彼は女性と婚約してたんだ。彼女はフレディの遺灰のありかを知る唯一の人なんだよ。彼の人生に深い深い影響を与えた人物だ。彼女は今でも彼の土地を管理して彼の家に住んでいて、我々はそういった要素を取り入れる必要があった。彼の人生のそういったパートを伝える必要があったし、その後彼が思わしくない道に走るのも見てもらえるだろう。作中ではよからぬ同性愛関係もとても素敵な同性愛関係も描かれてる。我々の物語は彼がボーイフレンドを家族に紹介して受け入れられて終わるんだ。
(フレディのボーイフレンド、ジム・ハットンが)作中で言う「きみが自分自身への愛を自覚したらまた会おう(Come back when you realize you love yourself.)」という台詞があって、それがフレディーの道筋となるものだった。彼は自分自身を認めてそれに折り合いをつけ受け入れないといけなかったんだ。今作ではフレディ・マーキュリーと彼の私生活の遍歴を見て取れる。僕はそれをよく扱いきれているように感じたよ。ある事が目に見える形ではっきりと描かれていないからといって正面から取り組まなかったというのとは違う。

マイケル・ジャクソンがジョン・ディーコンの『Another One Bites The Dust』をシングルとしてリリースするようQueenを説得したらしいという話を考えると、彼はあなたのキャラクターの物語の一員ですよね。Queenの物語には明らかにデヴィッド・ボウイも大きな役割を果たしています。彼らが登場人物として書かれた脚本はあったのでしょうか? 最終版に使われなかったであろうその他のQueenのシーンは?
シド・ヴィシャスの登場する初期の草稿があったよ。彼とフレディが軽く喧嘩する内容だったらしいけど、僕が関わるよりも前の脚本だったんだ。でも僕が知る限りデヴィッド・ボウイマイケル・ジャクソンが登場するバージョンは一度もなかったはず。今作の脚本は10年間あれこれと検討されてたからね、可能性はあるけど、撮影はしてない。

あなたは『ソーシャル・ネットワーク』にも出演していますね。映画で演じているFacebook共同設立者のダスティン・モスコヴィッツ本人とは会ったことはありますか?
ダスティンには一度も会ってない。当初Facebookの関係者たちは映画公開に乗り気じゃなかったんじゃないかな。でもすぐに気が変わったと思うけどね、楽しい映画だしヒットしたから。あの作品が必ずしも誰かをこきおろすものだったとは思わない。彼らという人物を正しくフェアに描写してると思う。だけどもし彼が会社の6%を所有してて僕の出る映画や僕が監督したい映画に出資したいと思ってくれたら最高だっただろうな。

現在Facebookソーシャルメディアに対する考えは?
Facebookに登録したときのことを覚えてる……当時のガールフレンドが僕を登録させたがって、プロフィールは彼女をからかうものにしてたんだ。彼女を茶化すのに使ってた。気づいたら何千もの友達リクエストが届き始めて、「一体なにが?」と思ったよ。後から「ヘイ、『ジュラシック・パーク』の子役がFacebook始めたよ、プロフィールへのリンクはこれだ」ってどこかのブログに書かれてたってわかった。ふいに「うわ、インターネットに投稿したものは永遠に残るんだな」と気づいた。投稿してた写真や僕の生活はもうちょっとしっかり守らないといけないと認識する必要があるんだって。

ジュラシック・パーク』といえばもう一つ質問が。どうしてティムは電気柵を通り抜けなかったんでしょう?
あのさ、なにが笑えるかって、僕は高いところが大好きなんだ。役とは真逆で。あのシーンを撮った時みんなが登ることになってたんだけど、僕は誰よりも速くてっぺんまで登って急に全員をびびらせたんだ。スティーブン・スピルバーグがビデオビレッジから飛び出してきて「そんな、だめだ! ジョーイ、ジョーイ、ゆっくり降りておいで。ゆっくり降りるんだ」って言われたよ。みんなは僕がケガするのを怖がってたけど僕はただ楽しくジャングルジムみたいに登ってたんだ。
たぶんフェンスを作ったとき僕の小ささを考えてなかったんだと思う。そうだね、すり抜けることもできたかもしれないけど、アップになると違うフェンスを使ってるのがわかると思う。もう少し小さいやつだね。今だとブルーレイとか高解像度の映像で見ると違いがわかっちゃうかも。だけど不信の目で見るのはやめておいて深追いしないようにしよう。

新しい『ジュラシック・ワールド』シリーズは観ましたか?
正直な話、実は最新作は観てないんだ。嘘はつけない。だけどあのシリーズが成功していて若い世代が『ジュラシック・パーク』に夢中になっているのは嬉しいよ。だって偉大なフランチャイズだと思うから。だからあのシリーズには愛情しかない。まあね、どうなるかはわからないよ。ティム・マーフィーが再登場したら楽しいと思うけど、僕にはどうしようもないからね。今後の展開を見守ろう。