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備忘録や情報まとめのメモ。間違いがありましたらご指摘いただけるととてもとても有り難いです。

20Q: PLAYBOY(2013.6)

 

Q1

ラジオドラマとして80年前に初登場した『ローン・レンジャー』であなたは主役を演じています。現在26歳ですが、子供時代まずこのキャラクターを知っていましたか?

子供の頃父にキモサベって呼ばれてたよ。『ローン・レンジャージョークを聞いた覚えもある。たとえばこういうの。「ローン・レンジャーとトントは砂漠を移動中どこまでも続く砂丘に少し迷子になる。最後の砂丘に登ると突然インディアンの戦士たちが現れ、すっかり取り囲まれてしまった。ローン・レンジャーが慌てふためき、トントの方を見て『トント、僕ら囲まれたぞ! どうする?』と言うと、トントは『僕らというのは何のことだ、白人よ?』と言って逃げて行った」。

 

Q2

ジョニー・デップのお話を。彼はトントを演じていますが、彼の役柄の解釈は聞くところによれば1950年代のテレビのバージョンとまったく違うそうですね。

昔のテレビシリーズではトントはただのローン・レンジャーのしもべだ。ローン・レンジャーが「トント、これこれをみんなに伝えろ」って言えばトントは「おれ、やる」って答える感じ。僕らの映画ではトントはコマンチ族で、自分をスピリット・ウォリアーズの生き残りのひとりだと考えてる。ローン・レンジャーは初めは銃ではなく話し合いによる正義をウェスタンにもたらそうというロックの哲学的発想の地方検察官なんだけど、その後待ち伏せを受けて撃たれてしまって、トントが彼を介抱し世界がおかしな動きをしているようだと説明するんだ。面白くもあるしトントとローン・レンジャーの間の障害でもあるのが、僕のキャラクターは教養があって人は互いを公平に扱うべきだと信じていながらなお「ああこいつは無視しよう、ただのインディアンだし」と言わんばかりにトントを見てるってことだ。でも対するトントは「おまえは自分が何を言っているかわかっていない」って感じで、トントがクソほど正しいんだ。

 

Q3

デップが撮影中サソリを口に入れたと聞いたんですが本当ですか?

彼にとっては遊びだったんだけど僕は未だに理解できない。フリークショー的なシーンのために現場にサソリ使いがいたんだ。これがシリアルボウルにようやく1匹収まるようなどっしりしたサソリたちでさ。そのシーンの後に確認に行ったらサソリ使いの一人が口を開けてサソリが這い出してきたんだよ。僕は「OK、僕はいいや!」って超逃げたんだけど、ジョニーは「やってみたい!」って言ってサソリを口の中に捻じ込んだんだ。彼は稀有な人だよ――本物のボヘミアンでありアーティストだ。

 

Q4

撮影の間ローン・レンジャーのマスクをつけるのがクセになりませんでしたか? 1950年代にテレビでローン・レンジャーを演じたクレイトン・ムーアはドラマが終わった後私生活でマスクをつける権利を巡る訴訟で争ったほどの中毒性でしたが。

一つとっておいてあるとだけ言っておくよ(含み笑い)。それと妻が気に入ってるってことをね。

 

Q5

あなたはロープワークに夢中でどこに行くにもしょっちゅうロープとノットガイドを持ち歩いてると公言している人で、さらにマスクの件も聞きましたが、あなたのセックスライフについて知っておくべきことはありますか?

うーん、僕のようにフェミニスト(ジャーナリスト、飲食店経営、女優のエリザベス・チェンバース)と結婚していれば、それは、……両親に恥ずかしい思いをさせずにどれだけ話せるかわからないけど、以前は支配的な彼氏でいるのが好きだったんだ。首とか髪とかを掴むのが好きだった。結婚すると性欲は変わる。我慢してるとかじゃなく良い意味でだよ。だけど妻の髪を引っ張るなんてできない。「こんなことするにはきみを尊敬しすぎてる」っていう気持ちになる。

 

Q6

奥さんの反応はどうでしょう?

ふたりとも最中に思わず笑い出して、全部終わってから「あー、変な感じで楽しかった!」って言うだろうね。『きみを支配したい』というより両方が本当に楽しい時間を過ごすという新しいものになる。スタイルが違うんだ。

 

Q7

ロープワークへの熱意はどこから来たんでしょうか?

これはきっと編み物の男性バージョンなんだと思う。すごく面白いんだよ、ロープを1本手に取ってこうしてこうしてA、B、Cってやれば毎回Xができるってわかってるからね。ロープワークは変化のない論理の世界で、それにものすごく便利なんだ。

 

Q8

映画版『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で主演をするという噂はすべてガセだと思うべきですか?

実際にオファーは来てないけど、ローン・レンジャーをやってた時にエージェントが話を持って来て、「いや」とは言ったよ。だってほら――マミーポルノだからね。回ってる洗濯機の上に座って誰かさんの口にボールギャグを噛ませることについて読むなんて。僕向きではないよ。

 

Q9

あなたはフェイスブックの誕生についての映画『ソーシャル・ネットワーク』で大金持ちで特権階級のウィンクルボス兄弟を演じて有名になりました。ひいお祖父さんのひとりが著名な石油王であり博愛主義者、美術品収集家のアーマンド・ハマーであるあなたがウィンクルボスのようなタイプにならなかったのはどうしてでしょう?

母が必ず普通学校に通うように、かつ親が子供を思い上がったバカにするために入れるようなLAの学校には行かないように計らってくれたんだ。兄弟*1と僕はずっと「あなたたちは人と違ったり人より特別だったりはしない」と育てられた。

 

Q10

ひいお祖父さんについて覚えていることは?

 彼の持っていた飛行機の通路を走り回ってた記憶がある。すごく折衷主義でおもしろい人だったよ。飛行機にはでかいボウル入りのキャビアやロブスターにばかでかいボウルのケンタッキーフライドチキンがあって、キャビアとかロブスターに興味を示すこともできたろうに彼はフライドチキンを食べたがった。それが彼のハッピー・プレイスだったんだ。たぶん僕はそれでマクドナルドを好きになったんじゃないかな。

 

Q11

マックが好きなんですか?

マクドナルドとは罪深くて脅迫的な関係。放っとかれたらたぶん一週間にビッグマック4個食べちゃう。妻のエリザベスからは「あんなもの詰め込んじゃダメ。牛の目玉が入ってるのよ!」って言われて「そりゃいいね!」って。

 

Q12

奥さんの故郷のサンアントニオであなたたちは飲食店、バードベーカリーを経営していますが、いざ映画を撮る時どのように体型を維持していますか?

みんながしょっちゅう『beach ready』*2でいるのを2週間くらいサボることを知っているように、男性俳優にとってのコツは人生を楽しむことだ。つまり、体型を気にする人達がどれだけ頻繁に「食べたらどうなるかな」って考えなきゃいけないか知ってる? いつでもシックスパックでいるためにちょくちょく自分自身にかまけるのは僕は嫌だ。それよりも食事を楽しんだり赤ワインをボトルで頼んでディナーの終わりにクリームブリュレを食べたい。その後写真撮影に呼ばれたら「オッケー、ランニングマシンの時間だ」って答えればいい。

 

Q13

近頃は馬肉が海外のハンバーガーに紛れ込んでいますが――

種馬になれそうだからもらうよ! フランスなんかでは馬を食べるのは何も悪くないもんね。エリザベスは「そんなこと言っちゃだめ、あなたローン・レンジャーなのよ!」って言うけど(笑)、馬肉はおいしくて栄養があるみたいだし。笑えるのが、カウボーイたちとバーガー屋で食事中に「馬を食べたことある?」って率直に聞いてみたらみんな「そりゃあるよ、ごちそうだ!」って言ってたんだ。

 

Q14

その他にカウボーイから教わったことは?

カウボーイ・キャンプに行った時「これがきみの鞍と寝袋だ」って言われて「寝袋にしてはなんか薄いね」って言ったら一人が食ってかかって「あんたはレンジャーなんだぞ! 横になってケツを包むんだ、わかったか?」って怒鳴られたよ。

 

Q15

大変な撮影だったんですね。

ほんとめちゃくちゃだったよ。ユタやコロラドニューメキシコや色んな土地で撮影して、始めた時には吹雪で中止になるほど寒かったし、その後は暴風、その後は砂嵐、その後は雷雨だ。ニューメキシコでは撮影用に5マイルの線路を敷いてジョニーと僕は何週間もただ列車のてっぺんで走ってた。ある日なんて49℃に到達して僕はウールのスーツとレザーの手袋とレザーのマスクと帽子を日中14時間身に着けてたんだ。すごく痩せてベルトに新しい穴を開けなくちゃいけなかったくらい。

 

Q16

ミドルスクールの頃のアーミー少年の話を何か聞かせてください。

8年生の時にプレイボーイを売って退学になりかけた。僕と友達で学校にローションのボトルつきのプレイボーイを持って行って――天才的なビジネスプランでしょ?――子供達に20ドルで売ってたんだ。そしたら職員室に呼び出されて「きみがヌード雑誌を持って来てると聞いたぞ」って言われて、「まさか、僕じゃありません」って答えたら「じゃあロッカーを確かめても構わないね?」って言って実行された。雑誌そのものは学校のそばの茂みに隠してたんだけどロッカーにはローションが山ほど入ってて、先生は「どうしてこんなにローションを?」としか言えなくて、僕は「手が乾燥するので」って(笑) 雑誌を売ってることを彼らが証明できなくて罪を免れたよ。楽しかった!

 

Q17

あなたは196センチあるのにこのインタビューにベスパで乗りつけていましたが、キングサイズの人があんなに小さいバイクに乗っているのは一体?

いつも僕の巨根の代償って冗談言ってるんだけどそれは置いといて、小回りが利くからね。ベスパはたまらないよ――ロサンゼルスを移動するならこれが一番速い。

 

Q18

あなたと奥さんはクリスマスに銃を贈り合っていましたが、銃愛好家なんでしょうか?

必ずしも愛好者とは言えないね――銃の鑑賞者だ。銃の機能だとか発展の方法だとか技巧を楽しんでる。店に行けば誰でも銃を手に入れられるべきかについては何とも言えないんだけど、統計的には人々が最大限に武装している場所って犯罪が少ないんだ。完全な武装社会を提唱したりはしないけど銃の娯楽性は評価してる。スキート射撃に出掛ければワクワクする楽しい時間になるだろう。妻との初デートはスキート射撃に行く予定だったんだけど、雨が降り出したから結局代わりに色んな美術館に行ってその後ポルノストア*3に行ったんだ。

 

Q19

クリント・イーストウッド監督の2011年『J・エドガー』であなたはレオナルド・ディカプリオのJ.エドガー・フーバーに対しFBI副長官補佐のクライド・トルソンを演じました。確かな事は誰にもわかりませんが、ふたりは恋人同士なのではと言われるほどとても親密でした。映画では答えはイエスだと仄めかしていますが、あなたの考えはどうですか?

僕は現場でずっと「クリント、どう思う? ふたりは一線を越えたの?」って言ってて、彼は「(イーストウッドの重厚な囁き声で)どうだろう。そうは思わないな」と。それからレオに「じゃあきみはどう思う? 彼らやったのかな?」聞くと「(深く息を吸い込んで)わからないな…たぶんね」って言ってた。でも僕は「そうだよ、間違いなくやったよ!」って。それが100%僕の見解だよ。たぶんある晩ちょっとマティーニを飲み過ぎたとかで、ふいに「(意識を失ってから起きる仕種)うわっ俺ら何したんだ? すごく良かった! そんで最悪だった! 嫌いだ、愛してる! どっか行け、こっち来て!」って。よくある話でしょ?

 

Q20

結婚の平等化*4についてはどうお考えですか?

誰と結婚すべきだとかすべきじゃないとか他人に押し付けてはいけないと思う。それが僕の公式の見解だよ。これは社会進化で、それが植物であろうと種であろうと観念であろうと進化を伴う物事には時間がかかるものだ。でもひとこと言いたいのは「議論は終わりだみんな。慣れようぜ」ってことだね。

*1:記事では複数形になってますが兄弟は年子の弟さんだけじゃないのかな…?

*2:水着姿になれる準備万端状態

*3:他のインタビューでは「ハスラー・ハリウッド」と店名を出してました

*4:同性婚の合法化