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クラークさんと格闘技の話

 

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ブラジリアン柔術の帯制度はすごく厳しいんだそうです。

ウィキペディアさんによれば、

黒帯制度がある各競技の中でも黒帯の取得が特に難しい競技と言われる。柔道の場合は体力の優れた高校生であれば柔道を始めた一年生の内に初段黒帯を取得することが普通だが、ブラジリアン柔術の場合は黒帯を取得出来る選手は稀である。目安として青帯で基本的な技術を一通り習熟し、紫帯でインストラクターとしての実力を有し、茶帯および黒帯は下位帯に対して圧倒的な実力を有する。

のだそう。

というのを調べるまで私は茶帯取得者であるクラークさんがそこまですげえ人だとは全く知らなかったのだった。

 

 

以下、クラークさんのスポーツニュースサイトでのインタビューを訳してます。元記事はこちら → Chances are 'Agents of S.H.I.E.L.D.' star Clark Gregg would tap you out | FOX Sports 

 

あ、インタビューの時期は2014年11月でエージェントオブシールドのシーズン2の前半の頃で、特にネタバレらしいネタバレはありませんが一応ご注意ください。

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ヒーロー同士のスーパーファイトを想定し、誰が勝ち誰が負けるか議論するのはファンとして楽しいものだ。アイアンマン対ハルクなら? キャプテンアメリカホークアイは? なお現実世界では、彼らの誰もS.H.I.E.L.D長官のフィル・コールソン、いや、コールソンを演じる俳優の足元にも及びそうにない。

クラーク・グレッグ――『エージェント・オブ・シールド』での主演およびマーベル・ユニバースで有名――はブラジリアン柔術をルーツとする長年の武術家だ。すべては十年以上前、グレッグが格闘技の大ファンでもある有名な脚本家と監督と共に映画の仕事をしていた時に始まった。

「12年前だったかな、のちに『Redbelt』を作った友人のデヴィッド・マメットが監督を務める『特捜刑事スパルタン』という映画を撮っていて、彼は素晴らしいレオナート・マーノとサンタ・モニカのストリートスポーツという道場で一緒にやり始めたところだった。彼は『きみはシークレットサービス役だ、特殊作戦隊員みたいなもんだし(ブラジリアン柔術を)やるべきだよ』って言ってきた。かっこいい格闘シーンがあるような台本に書き直してるのかと思ったけどそうじゃなかった。ただ僕が気に入ると思ったらしい」とグレッグはFOX Sportsに説明した。

「本当にすぐ好きになったよ。すごく参考になる事をたくさん発見したんだ。重圧がかかっている時に力を抜いて息をつけるのは人生のあちこちで役に立つ。人生は本当に長い道のりだ。時々夜遅くまで働いた時はレナートがやって来てプライベートで叩きのめしてくれる」

昨年茶帯に昇級した事は彼の人生で最も誇らしい功績のひとつとなった。多忙な仕事とたくさんの映画の予定を抱えるグレッグにはノックダウンされる時間を見つけるのは容易ではないが、12年にわたってブラジリアン柔術を学び成長し続けてきた。そして彼のスポーツへの情熱はどう見ても強くなっている。

激しいトレーニングからなる肉体的特性を越え、柔術が日常生活に加える知力にもグレッグはたいへん助けられている。それはエージェント・オブ・シールドの撮影でとりわけ役に立った。実質22,3時間のアクションの撮影をしている2~3か月間、シリーズ出演者は厳しいスケジュールを強いられるためだ。

柔術では、攻撃を受けると人は本能的に力を抜いたり深く呼吸することができないから、それを学ぶのに長い時間がかかる。そのせいで多くの人が青帯で終わってしまうんだと思う、本当に難しいからね。次のステップに進むのは大変なんだ。長いことかかったよ」とグレッグは述べた。

「それは僕らのドラマで起きる事とよく似てる。上手くこなさなきゃいけない会話の数々、どの映画でも最低2か月はかけて撮るんじゃないかという小人数のアクションを8日ほどで撮るプレッシャー。自分が柔術をやっている時に似た呼吸のリズムに普段も入っていることに気付き始めたところだ」

グレッグにとっての一番はブラジリアン柔術であり続けるとはいえ、『エージェント・オブ・シールド』の撮影と絡む数多くのスポーツと共に総合格闘技のトレーニングの利点もわかり始めている。昨シーズンのドラマにはUFCウェルター級選手のタイロン・ウッドリーがゲスト出演し、元チャンピオンのジョルジュ・サンピエールは新しい『キャプテン・アメリカ』の続編で特色ある役を獲得した。

 現行の最大のアクションジャンルに居場所を見出している本物の格闘家たちを見るのはグレッグのこの上ない喜びだ。彼は今後も更に多くそれを観られることを望んでいる。

「ドラマでたくさんの殺陣をつけてくれているマット・ミュリンズが総合格闘技、特に柔術の大ファンなのは素晴らしい。マットがトレーニングしてきた中に僕のコーチであるレナートの知り合いがたくさんいて、彼はスタントのためにドラマに参加したんだ。彼らはすごく親密に仕事をしていて僕が数年間稽古してることを知っているから、それを活用する道をいつも探してくれてる」とグレッグは言った。

 「GSP(ジョルジュ・サンピエール)を『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』で観れたのはすっごく嬉しかった。武術家や総合格闘家は戦闘に熟達してるからもっと出てもらえたらいいな」

ドラマ内の役では、グレッグは敵を倒し最新のスーパーヴィランをやり込めるよりも机に座っていることの方が多い。とはいえ、ネクタイを緩めコールソンの戦闘能力を見せつける機会はある。

実際のところ、今シーズンの始めにグレッグが女優との戦いに携わるシーンがあった。柔術での本式のトレーニングを積んでいた彼は、そうでなければおそらくスタントマンがやることになっていたアクションを演じることができた。

「きっとコールソンはニック・フューリー式の上を行くやり方で物事を運ぶことを想像してるんだと思うが、S.H.I.E.L.Dには何も残されてないんだ。だから今シーズンが進行しだしたと共に――ネタバレ注意――たぶん彼が想像してたよりも自らの手を血で汚す」

「コールソンがメリンダ・メイの顔をした女性と戦うことになるシーンを最近撮った。ミン・ナはムエタイとカンフーの訓練を積んでる。彼らは僕に彼女相手にスタンダードな柔道の投げ技をかけさせたんだけど、投げたのは僕だってはっきり見える前に編集で切られて腹が立ったよ。かなり勝手だよね。僕らがその仕事をしてるんだしトレーニングしてるんだってことを僕らは見せびらかしたいんだよ」

グレッグのブラジリアン柔術への情熱は共演者の一部にも伝わり始めた。『エージェント・オブ・シールド』の身体を使う撮影のため役者たちは数種の戦闘トレーニングをパスする必要があるほどだが、彼の同僚の一人がブラジリアン柔術を試してみることについて尋ねたときグレッグはさらに興奮した。

「僕らには『Mortal Kombat』に出ていて何年も武芸の修行をしてるミン・ナのような人々がいて、彼女は試合で使える技術を学ぶ機会を得てる。スタントマンはみんな4~5個の分野でランクを持ってるから、僕らの多くは撮影しながら他の分野の攻撃なんかを身につけてるんだ」とグレッグは言った。

「ドラマでスカイを演じているクロエ・ベネットのような若い子を見るのも楽しい。当初はハッカーだった彼女を僕らがある意味チームに引き取り、彼女は今ものすごい量のトレーニングをしてる。チームの戦闘担当に異動した彼女を柔術の教室に連れて行こうとしてるところなんだ。攻撃はたくさんやって来たから今度は格闘を学びたがってる。心から誇らしい」

もしあなたがたまたま総合格闘技のファン、あるいはブラジリアン柔術ファンなら、『エージェント・オブ・シールド』から目を離さないでほしい。グレッグはいつか必ず格闘技界の誇りになるアクションを挿入することを心に決めているからだ。

「僕らのドラマやマーベルの作品は、スーパーマンパンチなんかを含む総合格闘技の方向に向かってはいるけど、彼らはずっとフライングアームバー*1のような技を投入する道を探ってる」とグレッグは言う。「いつかフライングトライアングル*2とかフライングアームバーを取り入れる最高の方法を見つけるよ」

*1:飛びつき十字固め

*2:飛びつき三角絞め