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The Wall Street Journal Europe

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2011年のスペインでのインタビュー。

 

夕方のランニングの後にバルセロナのエル・ラベルの近くのバーで友人とベルモットをすすっていない時には、ダニエル・ブリュール、32歳の俳優は、友人に手料理を振る舞って週末を過ごす。「食は今のメインの趣味で、週末にやることの大体は食にまつわることだ」と、出演作『コッホ先生と僕らの革命』が最近ドイツで公開となったブリュール氏は言う。

カタルーニャ出身、『イングロリアス・バスターズ』のナチの狙撃手や『グッバイ、レーニン!』の東ドイツの学生役で知られ、ベルリンとバルセロナで生活する彼は、目下のところベルリンのパーティーシーンよりもスペインの力の抜けたライフスタイルを好む。「友達を呼んで家のテラスで食事をするのが好きだ。そうやって丸一日過ごしてもいい」とスペインのファミリードラマ映画『ウイニング・ストリーク 絶対にカジノで勝つ方法』の撮影期間中に彼は話す。

ブリュール氏はベルリン市民をスペインの美食生活に変えたいと願っていて、2月にタバス・バー『Raval』をベルリンの芸術に凝ったクロイツベルク地区に開いた。

 

 あなたの週末のスタートはどんなものですか?

なるべくビーチでランニングするようにしてる。バルセロナではそれが最高に楽しいんだ。ランブラス通りのコロンブスの記念碑から走り出して左手に20~30分走って観光客の姿が消えていくのを見る。ここの観光客は無精で記念碑の周りでだらだらしてることが多いから、ちょっと遠くまで走ればほとんど人のいないビーチに着くんだ。水着を持って行って水の中に飛び込んですぐ戻るのは最高だよ。それから車で家に帰って、ここにはベルモットを飲む慣習があるから友達とバーで――大抵はエル・ラベルのBoadasで――ベルモットを飲む。

翌朝は?

家で楽しく時間をつぶすよ。起きて、テラスに出て、何をするか考えて、床板に油を塗ってみたり絵を斜めにかけてみたり。昨日は鍋を爆発させた。それと空き時間にバルセロナについての本を書いてる。興味深い人々と知り合った日や心惹かれる街角を記録するんだ。街案内と物語がミックスされた本だよ。

多くの人はあなたをドイツ人だと思っていますが、お母さんはスペイン人ですしあなたはアレニス・デ・ムント生まれですよね。

学生時代はドイツで過ごしたけどよくここに戻って来たよ。両親がこの国に家を持ってるから年に2回は一緒に来てた。兄弟は今もバルセロナに住んでるからいつも訪れる理由はあった。ここでたくさん撮影ができて嬉しいよ。今はドイツよりもこっちで映画が撮りたいんだ、居心地がいいから。バルセロナに自分の家がある事もとても誇らしく思ってる。誰かのお客さんや観光客じゃないってことだからね。実際、僕はここに住んでるんだって示すために時々家の鍵を手に持ってあたりを歩くよ。ちょっと子供っぽいけど。

その鍵を持ってどこを歩き回るんですか?

グラシア地区の市場に行って食材を買うのが大好きなんだ。小柄でまるまるしたおばあちゃんたちがぶらぶらしてて――ドイツで食品を買うのとは全然違ってすごく楽しい。

最近作った料理は?

スペイン料理を母に教わってる。上手なパエリアを作ろうとしてるんだけどあれは本物のアートなんだ。以前は母がおいしい料理を作ってくれたりレストランに行ってしまってたから面倒で料理を学ばなかった。一緒に料理をすることで母のことをよりよく知ることができてるよ。僕は優秀なコックじゃないけどそうなりたいと思ってる。目標のひとつなんだ。

行きつけのバルセロナのレストランはありますか?

La Panxa del Bisbe――『太ったお腹』っていう意味――はすごくお気に入りでバルセロナ最高のお店の一つだよ。内部情報だからね、お忘れなく。

ベルリンにタパス・バーを開きましたよね。

10年間ベルリンにいて、僕にとって唯一新しかったのがクロイツベルクのタパス・バーだね…大変な事ではあるけどたくさんの喜びに繋がってるし、個人的には仕事じゃなく趣味のようなものだと思ってる。厳しい商売をやりくりしてくれる良いパートナーがいてくれるしね。

ベルリンでは何を?

文化的なイベント、最近ではコンサートに行こうと努めてる。仲間内に数人オススメを教えてくれるミュージシャンの友人たちがいて。仲のいい友人がクラシックミュージック全般のファンで交響楽団のチケットをくれるのが有り難いよ、僕はクラシックに興味を持ったことがなかったから。認めるけど無教養だったんだ。ベルリンには最高のオーケストラの内のひとつがあることを嬉しく思う。ベルリンの文化的な提供物はバルセロナより多くて安いけど、ベルリンはある意味危険なんだ――やることがありすぎる。僕は週末に何もせずにいる事も好きなタイプなんだけど、外出の誘いが流れこんで来ると、そうだな、ベルリンのバーで飲んでるだけで楽しい一年が過ぎるかも。

もっと余暇があったら?

仕事でじゃなく自分のために旅をしたい。ニューヨークで一年間暮らしたい。18の頃からニューヨークで生活したかったんだ。50になっても叶ってなかったらがっかりだ。半年だっていいよ。また自宅の鍵を手に持って歩いて、本物のニューヨーカー気分に浸るんだ。