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【Entertainment Affair】ジョセフ・マッゼロ インタビュー

ボヘミアン・ラプソディでジョン・ディーコン役を演じることの課題等々についてのインタビュー拙訳です。

 

 

Q:ロンドンでの今作のワールドプレミアではQueenのレガシーへ敬意を表する映画に参加できることにとても興奮したという話をされていましたが、その責任を果たすことへのプレッシャーという面では諸刃の剣にもなりえますよね。撮影中は速やかにそれを忘れることができましたか? あるいはそれが良い仕事をしようという気持ちの燃料になったのでしょうか?
ジョセフ・マッゼロ:プレッシャーが消えることはなかったね。原動力であり、おかげでとてもはっきりとしたゴールに集中することができた。生活でどんなことが起きていたとしても*1、疲れたり大変な一日を過ごしているとき、そのプレッシャーがあることで力が湧いてやる気になったよ。僕の場合はジョン・ディーコンと彼の家族、そしてこのプロジェクトにおいては巨大なQueenのファンダムに対する責任だね。そういった物事を念頭に置くことは手助けになってると思う。俳優としてどの仕事でもすべての時間を捧げたいと思うものだけど、さらなる責任があることでそれがいっそう加速するんだ。

Q:撮影初日が今作のクライマックスであるウェンブリーでのライヴエイドのパフォーマンスだったというのはまったくクレイジーだと思うのですが、初日にあの撮影というのは過酷な試練でしたか?
JM:そう、誰のアイデアだったのやら(笑) *2 僕らにとって喜ばしくはなかったけどそう見えるように振る舞ったよ。オーマイゴッド、最高だね、って。でも内心では震え上がってた。だけどこの経験で素晴らしかったのは急かされなかったことだ。撮影に先駆けて5週間のリハーサルを設けて僕らが隅々まで準備ができているようにしてくれた。それを乗り切るのに僕ら4人が頼れる相手はお互いだけで、だからこそ、よし、一緒にやろうと言うことができた。こいつをロックしようぜ、と。僕らはお互いを頼ることができるってわかってて、それによって今日まで続く僕らの絆が築かれたんだ。

Q.リハーサルの過程で、これからジョン・ディーコンを演じるんだとハッとした瞬間というのはありましたか? 衣装、ウィッグ、ベースの演奏を身につけた時だとか、あるいはそういったすべてが出揃った時だったのでしょうか?
JM:うん、ほんと面白い仕事だよね。今作はこれまでの僕の仕事とはまるで違ってた。今まで演じた役の多くより少なくとも4倍は準備が必要だった。この役のあらゆる要素が大きな課題に思えたからね。ベースの弾き方なんて知らなかったから楽器の演奏から勉強しないといけなかった。この仕事をもらえそうだとわかるまでベースを覚えたことがなかったんだ。ギターはかじってたけどそれだけで、最初の挑戦だったね。しかもそれだけじゃなくジョン・ディーコンの演奏法を学ばないといけなかった。それからステージ上での彼の動きも。彼の身体、動き回り方や踊り方を理解する必要があった。それから彼の訛りも! 今までに聞いた事のないアクセントだった。それでもまだ演技の部分に到達してないっていう。それだけ入り込む必要があるというのは素晴らしかったよ。すべてがしっくりきた決定的な瞬間があったかというと、それは俳優として常に不安に思うことなんだよね。下調べして練習してっていうのを僕らは毎日欠かさずやってた。週に5日ギターレッスンを受けてバンドリハーサルをしたよ。だけどある時点でただステージに出て行かないとならないんだ。そして、ショータイムだ。それが自覚した瞬間だったと思う。初めてカメラの前で演技をしたとき。伸るか反るかだったし、彼になったように感じた瞬間だった。

Q:ですが、ジョン・ディーコンはとてもプライベートな人物で、今作は彼の謎めいた雰囲気をある意味強めていますよね。彼を演じる際それはさらなる難題になりましたか?
JM:彼のバックグラウンドを少しだけ撮影したんだけど、残念ながら完成された映画からはカットされてしまったんだ。だけど僕個人としてはジョンについて多くを知ってる。誰かについてこんなに知ることがあるとは思わなかったというくらい彼について知ってるよ。でも僕にとっての鍵は、彼はうっかりロックスターになったようなものという事実だ。彼にはそんなつもりはなかった。このバンドが売れる以前はただ週末にベースを弾いて趣味の一環としてバンドをやりたいと思ってたんだ。興味深い道のりだよね、彼の人生の夢はロックスターになることじゃなかったんだから。僕は常にそういう風に演じようと努めた。彼はただ音楽の演奏に関心があるんだ。ベースラインこそが大事で、議論やドラマティックなあれこれには興味がない。気の利いた一言やジョークは愛しているけど、彼は冷静でいようと努めていて、黙って演奏しようぜと言う人物なんだ。だけどジョンがフレディの死に強い影響を受けたという事実も僕は演じようとした。フレディはいつもジョンに味方して守ってくれる存在だった。だから彼らの間にはとても特別な結びつきがあって、それも演技に取り入れようと努めたよ。ジョンは結局Queenや脚光から遠ざかった。大部分はフレディを亡くした事への消えない痛みがよみがえるからだ。それを表現しようとしたよ。

*1:マッゼロさんのお父さんはこの映画の制作期間中に闘病されていて、今年5月に亡くなっています

*2:別のインタビューでは最初に撮った理由は天候との兼ね合いだったと答えています→

http://www.desdehollywood.com/gwilym-lee-and-joseph-mazzello-talk-bohemian-rhapsody-exclusive-interview/